ドラマ「エンジン」

が、昨日最終回を迎えました。おそらくモータースポーツ好きの方には物足りない(ってかツッコミ所満載)だったんじゃないかと思いますが、ドラマそのものとしてはなかなかのものだったのでは、と思います。
上にもちょこっと書きましたがこの「エンジン」のドラマ、実際のモータースポーツ界ではあり得ない様なことも多かった(もちろんドラマですからね)ですが、実は「こんなことホントにあるの?」という中には、実際に起こったものもあるんです。今日はそんな部分をF1ヲタとして書いていきたいと思います(笑)。

  • 「ヨーロッパまで行った選手が日本へ出戻り…なんてことあるの?」

主人公、神崎次郎は日本で活躍した後ヨーロッパのF3シリーズに参戦しますが、解雇になって日本のレースに(一時的ではありますが)復帰しました。こんなことってあるの?って話ですが、これに近い例としては高木虎之介選手の例があります。
高木虎之介は97年までフォーミラニッポンに参戦、翌98年にF1デビューします。99年もレギュラーでしたが、シートが見つからずアメリカのCARTシリーズに参戦。今年になって日本のレース界で再び走っています。虎ちゃんは佐藤琢磨の前に「F1で勝てる日本人ドライバー」と期待されていたんですけどね…でも、彼は速いドライバーだと思います。F1の世界に残るにはレーサーとしての腕前の他に、いかに「売り込み上手」か(スポンサーの持ち込みなど)も問われますからね。なかなか難しいものです。野田秀樹選手なんかも近い例かもしれません。

  • 「最終ラップに入った地点で1-2位のドライバーが優勝できず」

最終話のレースシーン。最終ラップで2位を走っていたライバルがスピンしてリタイア。神崎次郎優勝か?と思われた所で、最終コーナーでウイングが外れスピン、優勝ならず…最終ラップに入った地点で1位のドライバーがリタイアすることはあれど、3位のドライバーに優勝が転がり込んだことはあるのか?って話ですが…これもF1の舞台であったんです!
確か、80年代前半(82年だったかな?)のモナコGPリカルド・パトレーゼというF1最多出走記録を持つ選手の初優勝がそうだったと思います。パトレーゼ選手は最終ラップに入った地点で3位だったんですが、1位・2位を走っていた選手が相次いでガス欠でストップして優勝が転がり込んできた…というものだったと。無線が壊れていて、ピットに戻るまでパトレーゼ選手は自身の優勝を知らなかったなんてエピソードもあったはず。
※間違えている可能性もあるので、間違っていたらツッコミ歓迎です(笑)

  • 「マシンを押してゴールする…ってアリなの?」

同じく最終話のレースシーン。ゴール直前で優勝を逃した神崎次郎は、マーシャルを制止して自分でマシンを押してチェッカーフラッグを受けます。「危ないし、そんなことはいくらなんでもナイでしょ?」とお思いでしょうが…これも実際にF1であった話なんですよ。
91年のメキシコGP。ジョーダンというチームで走っていたアンドレア・デ・チェザリス選手のマシンはゴール直前でガス欠しストップしてしまいます。ですが、チームの初入賞もかかっていたので、チェザリス選手はマシンを自らの手で押してゴール。見事4位入賞という結果でした。ペナルティが課せられることもありませんでした。自分は「エンジン」でのシーンを見て真っ先にこれを思い出していましたね(笑)。
ちなみにこのチェザリス選手、F1に208戦出走して未勝利という珍記録も持っています。

とまぁ、3つほどヲタ知識をさらけ出してみましたが、いかがでしたでしょうか?(笑) ま、だからどうした?という話でもあるわけですけど(爆)。