劇的過ぎな箱根駅伝。

昨日は家に帰ったのが0時過ぎでして、日記を書かないまま寝てしまいました。新年早々サボリ(笑)。そんな中、昨日〜今日にかけての箱根駅伝。「事実は小説より奇なり」という言葉がありますが、正に「こんな脚本は書けない!」と言ったような筋書きの無いドラマが展開されました。
1区では中央学院大学が同校史上初の区間賞を獲得。その後、同校は少しずつ後退、シード権は取れませんでしたが、8区でも区間賞獲得という健闘を見せました。2区では山梨学院大学日本大学の両外国人選手に明暗が。好位置でタスキを受け取った日大のサイモンは一時トップに立つものの中盤過ぎから大ブレーキ。結果的に日大はこのサイモンの大ブレーキが最後まで響いた感が…。一方、山梨学院のモー娘。モグスは1区13位から一気に12人抜きを演じ同校をトップに押し上げ、一時は区間新のペース。ラスト3kmはさすがにバテましたが、それでも堂々の走りでした。その山梨学院大学は予選会からの出場。その時から「モグスのワンマンチームか」などとも言われていましたが、モグス以外の1人1人も堂々の走りでした。3区では1区・2区で出遅れた優勝候補東海大学の佐藤が区間新での8人抜きを演じ同校を4位まで押し上げました。今回、優勝候補と言われていた中で先述の日大とこの東海大、それに日体大は序盤の出遅れで優勝争いから退く形になりました。そして4区〜5区にかけては順天堂大学の独壇場。3区までで9位に沈んでいたチームを4区区間記録で6位に押し上げ、5区の今井が5人抜きでトップに浮上。そのまま順大を往路優勝に導きました。「復路の順大」と言われていましたが、往路では実に17年ぶりの優勝でした。またこの地点で怖かったのは総合5連覇を狙う2位駒澤大学。他チームが崩れる中、常に上位をキープし、往路でも終わってみれば順大に30秒差の2位。復路のことを考えると、大本命とも言える感じでした。初日健闘したのは前述の山梨学院と東洋大学東洋大も予選会から勝ち上がったチームでしたが、一時トップを走り、往路終了地点でシード圏内の7位につけました。尚、往路終了地点でトップ順大から7位の東洋大までがおよそ3分差、8位の東海大から15位の法政大学までの差が3分以内と優勝争い、シード権争い共に混沌としたまま復路を迎えることになりました。尚、ここまでの文章で総合優勝校の名前がまだ出ていないんですよね…。
そして今日の復路。序盤は往路トップの順大が快調。6区・7区とトップを守り、さらに2位以下との差を3分以上に広げ、総合優勝ムードが漂います。そんな中、6区では専修大学、7区では法政大学、8区では前述の中央学院大学区間賞獲得と下位チームが健闘。特に、往路15位の法大はジワジワとシード争いに加わっていきました。2位以下の争いはし烈。駒大・中央大・山梨学院大区間ごとに順位を入れ替えていきます。
そして、迎えた8区の中盤過ぎ。トップの順大にアクシデントが…どうやら、走っていた選手が脱水症状を起こしたようで、フラフラよれながら走る状況に。途中、監督が駆け寄り水を差し出して何とか持ち直しますが、3分以上あった差はみるみると縮まり、区間残り3kmで駒大にトップの座を明け渡します。とは言うものの、普通ならとっくにリタイヤしてる状況の中「タスキを繋ぐんだ」という気力だけで走り続ける順大の選手。リレー地点に近づく頃にはもうほとんど無意識だったんじゃないでしょうか。2号車実況の矢島学アナウンサー*1も途中、涙が出そうな*2声で実況する場面がありました。そして、順位を5位まで落としながらもリタイヤすることなく、タスキを9区の選手に繋ぎました。ゴールの瞬間倒れこみ、救急車で運ばれたそうですが大事には至らなかったようで何よりです。
このアクシデントでトップに立ったのは王者・駒大。復路に強い駒大だけに、このまま逃げ切るものだと思いましたが、そうはいきませんでした。なかなかペースが上がらず、後ろから迫る影が…その姿はアクシデントのあった順大でも粘っていた山梨学院大でも追い上げていた日大でもなく、亜細亜大学でした。いつの間にか、9区のリレー地点で2位に浮上していた亜大。これまで総合優勝の無い同校が王者駒大に追いつき、そして追い抜いていきました。
その頃シード権争いにも動きが。往路15位から追い上げる法政大学があれよあれよと一気にソード圏内の8位まで浮上し、シード安泰。法大は結果、復路優勝を果たし(総合7位)、同校初の「優勝」を記録することになります。9位以下は東洋大日体大早大・大東文化大・城西大らによる2つのシード権を巡っての争いが激化。最終10区で争いは日体大東洋大・城西大の3チームに絞られこの中から2チームがシード獲得という状況に。その争いは最後の最後まで続くことになりました。
9区でトップを奪った亜細亜大は10区岡田が快走を続け、2位以下を突き放していきます。一方、苦しくなったのは駒大。こちらの選手も最後脱水症状に見舞われたのか、ガクンとペースが落ち、最終順位は結局5位でした。そして、亜細亜大が初めて箱根を制すという劇的な結末でした。2位に復活の山梨学院大、3位に日大。シード争いは最後の最後までもつれましたが、日体大東洋大が抜け出し9位と10位でゴール。東洋大と11位城西大との差はわずか10秒でした。
…ちなみに、ウチの所属校は往路では目立たないながらもシード圏内にいましたが、復路ではいつの間にかジリジリと後退し、し烈なシード権争いに加わることもできず、あまりテレビにも映らずに最後は結局16位という結果でシード落ちをしました…。それでも、選手達はウチだけでなくどこの選手もみんなが頑張ったワケですし、来年は予選会から箱根を目指すことになりますが、またここに戻ってくることを信じて応援しようと思います。
しかし、これほどまでの展開と結末を誰が予測し得たでしょうか。そして、自分が箱根駅伝を見てきて、ここまで順位が目まぐるしく動き、最後までどこが優勝するのかわからない展開というのは今まで無かったように思います。今までで1番おもしろかったかもしれません。
真剣だからこそ起こりうる数々のドラマ。これこそがスポーツの魅力じゃないかと改めて思った箱根駅伝でした。

*1:ちなみに自分と出身高校が一緒です。

*2:実際出てたかも。