「Run For The Dream」第2話「初勝利!」

え〜っ…8月頭にトモキが小説を書いていたのを覚えている方がいらっしゃるでしょうか?(爆)
その後、全く更新していなかったワケですが…ないがしろにしてたワケじゃあございません。実家にいる間に更新するのは色々と難しいワケですよ(笑)。そんなワケで、第2話を公開しようと思います。尚、今後は週1前後で不定期に更新していくつもりです。その前に、簡単におさらいというコトで(笑)

〜あらすじ〜
2008年の日本競馬界では女性が活躍するようになっていた。そんな折に3人の女性騎手がデビュー。その内の1人田中れいな栗東の中澤厩舎所属。そのれいなのバレットとなったカスガトモキ。彼がバレットとなった理由はまだ明かされていない。
そんな中、デビュー3週目を迎えたれいなは初勝利に向けて阪神競馬に騎乗していた。レースは残り1000mを経過…

と、いう感じです。興味が出た方は「続きを読む」にてご覧になってください(笑)



『先頭のハッピーロードが残り800mを…今通過しました!62秒前後で通過。』


「ん?ちょっとペース速いんちゃうん…カスガはどう思う?」
「そうですね…馬場考えるとちょっと速いかも。後方待機のれいなにもチャンスはあると思いますよ」
「そっか〜…何とか勝ってもらいたいけどなぁ〜」
(今の所イイ感じだぞ、れいな。後は仕掛け所さえ間違えなければ…)


『おおっとここで早くも11番グッドラックシチーが仕掛けていった!』


「おっ、ユタカが動いたなぁ…連れて動いてっても…」
「…いや、まだここで動くのは早いですね。ユタカさんは馬の力を信じて動いたみたいですけど…それでもまだ少し早いですよ。れいなは悩むでしょうがガマンしないとダメですね」


(そ、そろそろ動いた方が良かと?…いや、もー少しガマンせんと…)


『残り600mに差し掛かって先頭からシンガリまでは14〜15馬身と言ったところ、後方2頭目にタッチマイハート、最後方に10番ピーチカクテル、さぁ先頭は相変わらず9番ハッピーロード』


「(よし、動きたくなる場面をよく耐えた!)…先生、イケますよ!」
「よぉ〜し、伸びて来いっっっ!!!」


(ここだっ!!!後はしっかり追うと!!!)


『第4コーナーを回ってハッピーロードはここで一杯か、変わって先頭は3番ブルーポケット!その内から11番グッドラックシチーも並んで先頭!残り200m、先頭はグッドラックシチーだ!このまま押し切るか?…大外から一気にタッチマイハートが伸びてきたっっっ!!!』


「差せ差せぇ〜っ!」
「交わせっ!」


(この脚なら…差しきれるとね!!)


『残り100m!先頭まだグッドラックシチーが粘るが外のタッチマイハートの脚色がいい!半馬身、クビ…ここで捉えた!タッチマイハート、ゴールイン!タッチマイハートです!鞍上は今年デビューの田中れいな騎手!』


「よ〜し!ちょっと時間がかかったけど、初勝利ですね!」
「ウチの厩舎の70勝目でもあるしぃ…やったわ!!!」


〜検量室前〜


「お疲れ!田中、よーやったな!」
「先生ありがとうございます!最後まで馬も頑張ってくれましたよ!」
「れいな、おめでとう!…なかなか好騎乗だったんじゃないか?」
「ホントに!ど、どの辺が?」
「…と、その前に後検量行ってこないとな。せっかくの勝ちがパーになっちゃうぞ」
「は、はーい…」


検量は何の問題もなく終了、レースはそのまま確定した。


「これでタッチマイハートは次走も田中で行くでぇ。平場でも特別戦でもな」
「(…!)ホントですか!中澤先生ありがとうございます!」
「さ、口取り行こか?」
「ハイッ!」
「初勝利はお客さんの前でのインタビューもあるからなぁ…しっかり答えて来いよっ!(笑)」
「え…トモキは行かんと?」
「いやー、俺は今回何もしてないし、こんな所だけ出てっても…」
「ええんちゃうの?一緒に行ったりや」
「でも…これは俺が勝手に決めたんですけど、れいなが重賞勝つまで楽しみにとっておこうかなーって…」
「なるほどなぁ…じゃあ、田中も早く勝てるようにならんとなぁ(笑)」
「勝ちますよ!早い内に!トモキにも一緒に口取り写ってもらいたいし!」
「(れいな…)…ホラ、先生もれいなも早く行かないと!横でタッチマイハートが待ちくたびれてますよ(笑)」
“BUHII〜!”
「ホンマや(笑)早いところ行くで!」
「はいっ!」
(…まぁーまずは一歩踏み出したってところか。何はともあれ、れいなおめでとう!)
…と、
「あっれ〜…トモキじゃないの?」
「…あ、矢口さんじゃないですか」
矢口真里。2005年初頭まで騎手として活躍。電撃引退の後、競馬レポーターとして競馬番組等々で活躍中である。
「今度の新人さんはぶっちゃけどーなのよ?」
「そうですねぇ、まだ荒削りな所はありますけど、そのうち上まで行けると思いますよ」
「へぇ〜、随分と自信あるんだねぇ」
「まぁ、俺の見る目が正しければ、ですけど…」
「そ〜だよね〜、今年の新人はみんな結構やりそうだもんねぇ。…お、ウワサをすれば」
「(テクテク)あー、もしかして矢口さんと…カスガさんですかぁ?」
「もしかしなくても矢口真里ですぅー(笑)。トモキも知ってると思うケドこの娘が道重さゆみ
「おぉ、道重かぁ〜。ども、カスガトモキです」
「どぉ〜もぉ〜」
「…次の7レース、断然の1番人気みたいだな」
「そぉ〜なんですぅ〜!午前中に絵里も勝ってるし、さっきれいなも勝っちゃったし、さゆみも勝たないと…あ、そろそろ行かないとなんで行きますね〜」
「(キョトン)そっか、頑張れな」
「ハイッ♪」
(スタスタスタ…)
「…この間も少しあの娘に取材したんだけどさぁー、いっつもあんな感じなんだよねー」
単勝1.5倍の1番人気なのに全く動じてなかったな…こりゃ大物かもしれないな」
「勝たなきゃアレだけどねぇ(笑)…でもあれで勝っちゃいそうだから怖いわぁー」
「ですねぇ…あ、矢口さん、この後コメント取りならウチのれいなのコトよろしくお願いしますよ。取材には協力するコトが大事だってあいつにも教えてあるんで…」
「ん、わかったケド…オイラはトモキのコメントも欲しいのよ(ニヤッ)」
「いやいや、俺はイイですって…第一、俺のコメント取ったって仕方ナイでしょ」
「そんなコトないんだって!アンタのコメントだって需要あるのさ!今はバレットやってるケド、なんたって元…あ〜待ってよォ!」
「矢口さんこそ、今の内に他の騎手のコメントとっておかないと仕事にならないですよ(笑)」
(スタスタスタ…)
「…ちぇっ、連れないナァ」


この後、第7レースに騎乗した道重は3馬身差で1番人気に答える勝利を挙げた。これで2008年デビューのジョッキーはなんと3人共が同じ日に初勝利を挙げたコトになったのだった。


〜同日フジノテレビ中継〜


「どうもぉ〜♪今週も始まりました『ハロー!競馬』キャスターの石川梨華でぇ〜すっ♪」


『ハロー!競馬』とは毎週土曜日と日曜日の午後3時からフジノテレビ系列で放送されている競馬番組である。
「さて、次はこのコーナー!チャーミー石川のぉ…『ハロー!週刊競馬ニュース☆』ですっ。このコーナーでは今週1週間の競馬界のニュースをお伝えしまぁ〜す☆…最初はホヤホヤのこのニュースから!2008年デビューの新人騎手である亀井絵里田中れいな道重さゆみの3人が何と今日、同日初勝利を挙げましたぁ!早速、レースのダイジェストVTRと共に矢口さんが取ってくれたコメントがあるのでお聞きください♪」


(亀井編)
「ここまでも人気馬に乗せてもらってあとちょっとで勝てなかったんで、今日の勝ちはホントに嬉しいです♪同期の中で1番初めに勝てたってのも嬉しいです!今後も2人に負けないように頑張ります!」


(田中編)
「今回は勝ちたいと思ってたんです。今後の為にも。馬がよく頑張ってくれました。同期の2人には負けられないし、これをいいスタートにしたいですね!」


(道重編)
「私の前に2人(亀井・田中)が勝ってたので、私も勝たないといけないなぁ〜…って思ってました。今回は1番人気で勝ちましたけど、穴馬も勝たせられるようになりたいですね♪」


「と、三者三様のコメントでしたが…矢口さんはこの中で誰に期待してます?」
「そうだなぁ〜…みんな今後伸びそうだけど…」
「あっと、ちょっと時間がナイみたいですね。次のニュースにいきましょう!次は海外遠征の…」
(い、石川ぁ…)


初勝利を挙げた田中れいな。しかし同期の2人も負けじと初勝利を挙げる。3人による新人賞争いの本当のスタートと言ってイイだろう。そしてここから次への一歩を踏み出したのだった。




Coming Soon!!!




後書きはこちら〜