「Run For The Dream」第4話「ローカル遠征!」

4ヶ月弱ぶりの更新と言うコトで(爆)。興味ある方にもない方にも参考までに(笑)、これまでのお話のリンクを貼っておきましょう。

んでもって第3話までのあらすじ。

2008年の日本競馬界にデビューした騎手田中れいな栗東の中澤厩舎所属。そのれいなのバレットに名乗り出たカスガトモキは元騎手だった。調教中の落馬によるケガが元で騎手を引退しバレットになったが、バレットになった理由は定かではない。そんなトモキの過去を中澤厩舎の調教助手吉澤ひとみから聞かされたれいなは奮起して2勝目を挙げる。そして開催替わりの4月を迎えた。

気になった方は「続きを読む」にてご覧になってくださいませ。




2008年4月1日火曜日。この日も中澤厩舎では管理馬の調整が行なわれていた。
「えぇっとぉ、明日はコース追いとぉ…トーキョービジンはプール調整でぇ…」
「…おっ、真希さんやってるねぇ」
「おぉ、トモキくん。この調教予定の整理なんだけどさぁ…手伝ってくんない?よね?(笑)」
「いやー、そりゃ真希さんがやらないと(笑) 俺はただの一騎手のバレットだしぃー」
「んもぉっ…ま、そーだよね。手伝ってくれたらキスぐらいしてあげよーかと思ってたんだけど?(笑)」
「ちょっ…ま、真希さん何言ってんすかっ!」
「ジョーダンに決まってんじゃん(笑) もぉ、トモキくんってそーいう方面には弱いんだからさ」
「(ったく…)んなコト言ったって、俺だって物心ついた時にはもう競馬学校にいて女性なんて…」
「あれ、トモキくんの頃にはもう斎藤さんとかいたんじゃなくて?」
「あの人達も研修期間とかあって、あの人達に教わったのは実質最後の半年…ってどーでもイイっしょ!」
「へ〜…ウブなんだねぇー(笑)」
「も〜、どうだっていいっしょそんなコト…(また真希さんのペースにハマっちゃったよ…今日は先手取ったと思ったんだけどなぁ)」
「アハハ…ん、あれ、田中ちゃんじゃない?何か元気なさそーだけど…」
「ん〜、どうしたんだかねぇ」
中澤厩舎の調教助手・後藤真希と騎手田中れいなのバレット・カスガトモキが話してる所に田中れいながやって来た。
「はぁ〜…」
「調教お疲れさん」
「ん、うん…」
「田中ちゃん、何か元気ナイみたいだけどどしたの?」
「あ、いえ…なぁトモキぃ、どーなっとーと?…中澤先生もエイプリルフールの冗談にしては度が過ぎちょる気がするっちゃけど…」
「ん?いきなりどーした?」
元気がナイ様子のれいなだが、トモキも真希も何が何だかサッパリわからない。
「さっき、ウチの厩舎の今週の出走予定と特別登録確認してきたっちゃけど…れいな、降ろされるん?」
どうやら、れいなが元気の無かった理由はこのコトに関係あるようだ。
「…え?なんで?」
「だってぇ…今週のウチの厩舎の出走予定、福島ばかりじゃないですか!しかも、前走勝たせたタッチマイハートまで福島の特別戦に登録してあったけん、もうそーいうコトなんですよね?」
「え?」
トモキと真希は顔を見合わせ…
「アハハハハッ!」
笑い出した。
「ふ、二人ともヒドイッ!そんなにれいなが降ろされるのが嬉しかと?れいなが乗らんでも厩舎の成績が上がればそれでいいってコトなんですね?」
「いやぁー…れいな、何か勘違いしてないか?」
「…えっ?」
「んー、その様子だと先生から何も聞いてないんだねー」
「ど、どーいうコトですか?乗り替わりのコトは何にも…」
「そーじゃなくて…」
「???」
「…まだわかってなさそうだなぁ。今開催はれいなは福島で騎乗なんだよ。…もしかして、阪神で乗るとでも思ってたのか?(笑)」
「え…そ、そーなの?…だって、さゆは阪神って言っちょったし、絵里は福島って言っちょったケド、それは関東所属だからじゃ…」
「他は関係ナシ!道重ん所は多分、厩舎の方針で阪神なんだろ。それに、新人に関東も関西も関係ナシ!ローカル競馬で揉まれるのが1番!!!」
「じゃ、じゃあ何で先週までは中京じゃなくて阪神だったと?」
「あー、それはねぇ…ウチの厩舎の馬、あんまり中京コースと相性良くないんだよねー。だから意図的に阪神使ってたのよ。先生も大阪出身だしねー」
「れいなの騎乗馬確保の為に、先生は先生なりに考えてくれてるんだよ。感謝しないとな」
「そうだったんですね…れいな勘違いしてたみたいで…」
「俺も現役時代は2年目までに中央の10の競馬場全部で乗ったしな。このローカル開催で新たに関東の厩舎と交流増やせれば後々になって大きいし…」
「そー言えば、トモキくんってどこでも乗ってた気がするなー(笑)」
「まーね(笑)…だから、れいなもローカル開催で頑張っておくと大きいぞ。G1開催の裏だから、それなりの馬に乗れるチャンスもあるだろうしな」
「そしたらその間に勝ってくだけっちゃね!」
「…と、言っても今週は多分自厩舎と他の遠征馬入れても4鞍くらいしか乗れないだろうけどな」
「でもアピールするチャンスだよね。同期の亀井も福島ってコトは、結果出さないと成績にも差が出るし、騎乗馬の依頼もどんどん向こうに行っちゃうだろうし…」
「なかなか厳しいかもしれんけど、やるだけのコトやるっちゃね!」
「よし、その意気その意気!」
「キッチリ仕上げて輸送できるように私も協力するから田中ちゃんも頑張ってね」
「ハイッ!」
(ま、実際、ローカル競馬は新人騎手にとってはある意味じゃ中央場よりキツイけどな…れいなもそれを経験して、上に行けるようになってもらいたいもんだけどなぁ…頑張れよ、れいな)


〜2008年4月4日金曜日新幹線車内〜


「れいなの『れ』の字は連勝の『れ』〜っ♪れいなの『い』の字は1番〜♪」
「…オイオイ、はしゃぎ過ぎじゃないか、れいな?」
「だってぇ〜…こーいうのってワクワクせん?」
「まぁリラックスすることはいいことだけどなぁ…他にお客さんもいるワケだし、何より遊びに行くワケじゃないんだぞ?」
「はぁーい!わかっちょるよー!…れいなの『な』の字はナイスの…」
(はぁ…ま、明日競馬に乗ってみればどれだけ大変かわかるだろうな。出馬表見た限りじゃ、今週は“あいつ”も福島みたいだしな…)


果たして、トモキが語る“あいつ”とは?そしてれいなの福島での活躍は?




Coming Soon!!!



第4話の後書きはこちら〜